耳穴での耳栓の感触②(ポリウレタン耳栓の危険性)(第27号)

■おはようございます。「耳栓ブログ|ae The Blog」を運営している高祖です。

8月も、残り1週間くらいになって来ましたね。
はやいもんです。
ロンドン・オリンピックまでまだまだと思っていたら
それも終わり、夏の甲子園も終わり・・・
いやー大事に残りの夏を満喫しましょう。

■本日は、
「耳穴での耳栓の感触②(ポリウレタン耳栓の危険性)」について
お話して行こうと思います。

本日も先日、使用した図を利用して説明させて頂きます。
こちらですね。

耳栓ブログ|拡大の部分(上記表上での) を押すと、表が拡大されて見ることができます。

■こちらの図にも記載している通り

イヤフォン用耳栓、遮音用耳栓の場合は、
想定している配置箇所が異なります。
もうすこし詳しくいうと
「スポンジ状ポリウレタン耳栓(100円ショップでよく見かける)」、「シリコン耳栓」、「補聴器用耳栓」
で、同じ「耳栓」であるとはいえ、耳穴内での耳栓の配置が
異なってきます。

■なぜそのようなことが起こるかというと
それぞれの耳栓で、期待されている機能と形状が異なっているからです。
それぞれの「使用目的」を考えて見ましょう。

(1)「スポンジ状ポリウレタン耳栓」 遮音するため
(2)「シリコン耳栓」 遮音するため
(3)「補聴器用耳栓」 スピーカー部を鼓膜近くに配置するため、遮音するため

■これにより、(1)、(2)は
特には、鼓膜の近くでなくても良いことがわかります。
つまり、音を遮蔽できればどこでも良いということになります。

(3)の場合は、ちょっと状況が違って
音が聞き取りにくい難聴の方に大きな音を伝えたい
という要素が最も重要な要素となります。
そのため、耳栓先端部分(スピーカー部分からつながっていて音が出る部分がある)
をできるだけ鼓膜の近くに配置しなければいけないことがわかります。

■さらに、(1)、(2)について構造的な比較すると
(1)「スポンジ状ポリウレタン耳栓」
筒型、そのままで耳穴には入らないため、挿入時は先端部分を押しつぶし、挿入。
押しつぶされているため、かなり耳の奥まで挿入される。
場合によっては鼓膜に接触することもある。

(2)「シリコン耳栓」
傘付き、そのまま耳穴に入り、一定の深さまで挿入されるとそれ以上奥へ入らない構造。

■私も色々なところで
「ポリウレタン耳栓」と「シリコン耳栓」の比較を紹介してきました。
特に、ポリウレタン耳栓が挿入時に、鼓膜に接触するので危険です
という話をしてきました。取りまとめた図はこちらになります。

■私自身も、ポリウレタン耳栓を耳穴に差し込む際に
先端部分を鼓膜にぶつけたことが何度かあります。

通常耳栓に使用されているポリウレタン素材は、
柔らかい素材ですので、接触するとすぐに鼓膜が・・・・
ということは、私の場合はありませんでしたが
いやな感覚がするものです。

■そのように考えていくと

ポリウレタン耳栓自体の
耳栓内での配置の仕方が難しい
ということもお分かりになるかと思います。

■つまり、ポリウレタン耳栓を挿入する際は、

「特に、どこまで入れたら良いかわからなく、そのガイドもない状態で
鼓膜に接触することなく、また耳栓が外れてしまわない程度に深く
勘をたよりに差し込む必要がある」ということになります。

■また、差し込んでいる深さにより、

挿入後に膨らんでくるポリウレタン素材の感じがかなり変わってきます。
アタリが強すぎると、耳穴が疲れてしまいますし
ちょうどよいアタリと思っていても、耳栓が抜けやすい状態だったり・・

個人的には、やはり・・・

■もちろん、求めている遮音性能だとか、

そのほかの要件もあるかと思いますので、
重要視する要件が何か見極めた上での判断が
一番重要かと思います。

■本日は、
「耳穴での耳栓の感触②(ポリウレタン耳栓の危険性)」について
お話してきました。色々と説明をしてきて、だいぶ伝えたいことが
伝えられたかなと思いましたが・・・どうでしょう?

耳栓ブログ|ae The Blog」では、
以前よりシリコン耳栓「MusicSafe Pro」
をおすすめしています。

こちらも、耳栓を挿入するときに
ある一定の深さまで来ると
それ以上は差し込めない構造になっています。

詳しくお知りになりたい方はこちらへどうぞ

それでは、次回も「耳穴での耳栓の感触」の続きをお話させていただくこととします。
次回まで!


耳穴での耳栓の感触①(差し込みやすさ)  (第26号)

■おはようございます。「耳栓ブログ|ae The Blog」を運営している高祖です。
お盆も終わり、とうとう夏も終わりに向かっています。
みなさんいかがお過ごしですか?

私は、昨日は、久しぶりに解析ソフトといって
3D cadで製品を設計をした後に、力を加えると
どのように変形するかなどシミュレーションできるソフトの
講習会に行って来ました。

数年前にも同じような講習会に通っていましたが
なかなか楽しいものです。
正直、実践では、いろいろな理由で
使い切れていないので、なんとかうまく使いながら設計できたらと思います・・

■本日は、

「耳穴での耳栓の感触①(差し込みやすさ)」についてお話して行こうと思います。
このことは、今まで少しお話してきている
なぜスポンジ状のポリウレタン耳栓が扱いにくいかなど
に大きく関わっているので一つ一つお話して行こうと思います。

耳栓ブログ|拡大の部分(上記表上での) を押すと、表が拡大されて見ることができます。

■以前にも、お話したと思いますが

前職の補聴器メーカーでは、耳栓(補聴器用)の試作、量産を担当してました。
いろいろと頭で、ああだこうだと考えては、
その設計を3D cadで行なって、3Dプリンターで型をつくり
その型にシリコンを流して試作、さらに評価
それから、もう一度ああだこうだ考えて・・・と作業を進めてました。

■このような作業を進めて

色々な形の耳栓を試していると
たくさんの発見があります。
「見た目では、ここはこうなるべきだから
形状はこうだろう・・・」と思って
作ってみたら、とんでもなくつけ心地が悪かったり
ちょっとした事で、ためしてみたら
案外使える構造だったり・・・

もともと、実験大好きな私にとっては
楽しい作業で、どんどんのめり込く感じですか・・
ハマッテしまいます。

■そのような「耳穴での耳栓の感触」について
大変良くまとめている記事があります。

Chester Pirzanskiさんの
「Earmold Retention Issues: Why Does This Earmold Keep Falling Out?」
という記事です。

タイトルを日本語訳すると
「イヤモールド(補聴器用耳栓)の耳穴内保持について:
なぜ、このイヤモールドはすぐに落ちてしまうのか?」となります。

■この記事は、補聴器、難聴などに関しての情報を伝えている

Hearing Reviewというオンライン情報誌(アメリカ)に掲載されているものです。

この記事には、いろいろな面白い情報が書かれているのですが
特に、「補聴器用耳栓が、耳穴に装着されている時
具体的にどの箇所が、どのような感触に貢献しているか」
をうまく示している図(記事のFigure1ですね)があるのですが
ほんとうによくできています。

■こちらのFigure1を、

日本語訳を行い
分かりやすいように、向きをかえたりして編集したものが
今回の投稿のはじめに記載している図になります。

■ちょっと私の編集した図を説明しますと・・

まず、これは「右耳の場合」です。
緑っぽい色ので描かれているのが
右耳の形です。
左が鼓膜側、右が耳の外側になります。
オレンジ色の部分が、補聴器用耳栓が挿入されている箇所になります。

■オレンジ色の補聴器用耳栓部分のそれぞれの箇所に

説明書きが入っています。
先端部分には、「差し込みやすさ」と書かれています。
私も、このことについては、同感です。

■試作を行なっている中で、私もかなり研究しましたが

先端部分が柔らかいと、耳穴に耳栓を差し込む際に
くにゃくにゃに曲がってしまい
本来配置されるべき箇所に耳栓をガイドすることが
かなり難しくなってしまいます。

■ただ、先端部分が硬すぎると
これはこれで問題が出てきます。

耳栓を耳穴に差し込む際、
耳穴の形、差し込み方などにもよりますが
先端部分が、耳穴の壁にこすれながら挿入されていったりします。

ですので、硬すぎれば、とうぜん耳穴の壁をひっかくことになりますし
先端の形や角度によっては、ひっかきやすことになります。
ここで、設計者の人の腕の見せ所となります。

■ちなみに、補聴器用耳栓の場合

先端部分にスピーカー用の穴が開いていますが
その穴に耳栓差込時に、耳垢をかき集めないという
工夫も必要となります・・・余談ですが。

■みなさんも、一度100円ショップとかで手に入るスポンジ状の耳栓で

「差し込みやすさ」に注意して、
いろいろと試してみると面白いかもしれません。
耳栓を普段使うとき、結構無意識に使っていることが
多いと思いますので、発見があるかもしれません!

■本日は「耳穴での耳栓の感触①(差し込みやすさ)」
についてお話をしました。

本日取り上げた図については
さらにいろいろお話したいので、
次回も同じ図を使って他のお話をさせて頂きます。

■「耳栓ブログ|ae The Blog」では、最近、飛行機用耳栓「FlyFit」の販売を開始しました。興味のあるかたはこちらへどうぞ。

ちなみに、「FlyFit」の先端部分は、硬さと柔らかさが良いバランスになっていて
補聴器用耳栓に比べ(上記の図の耳栓の配置にくらべ)、浅い配置(鼓膜から遠い位置)
になっています。差し込みは、ちょうどよいくらいです。

それでは、次回まで!


100円ショップの耳栓  (第10号)

■こんにちは!「耳栓ブログ|ae The Blog」の高祖です。

「耳栓ブログ|ae The Blog」では、身近な話題から、
防音、騒音の対策を考えるというコンセプトにそって
提供させていただいています。

先日は、「5つの騒音から守るべきもの」
についてお話しました。

■さて、本日は、

みなさんにとって身近なところからというか・・
私にとって(?)身近な「100円ショップの耳栓」
について考えていきたいと思います。
相当よく行きますんで・・・

■実は、先日、妻とカーテンを見にいったところ

たまたま、その横に「100円ショップ」があったので、
そちらに寄ってみました。

ちなみに、私は岡山県倉敷市在住ですので、
そのあたりの某大手「100円ショップ」です。

■店の中に入ってみると、
中規模??くらいの「100円ショップ」でした。

私は、以前メーカーで開発エンジニアをしていたときに
耳栓の試作、開発などやっていたので、

こういうところに来ると、まずイヤフォン、ヘッドフォンのコーナーに行き
そのあと、生活用品のところにいって
「耳栓」を探してしまいます。

■それで見つけてきた「耳栓」が

合計8種類もありました。

ちょっと、びっくりです。
イヤフォン用のものが4種類、
ヘッドフォン用のものが4種類もありました。

すごいっすよね!

■なかでも「Hello Kitty ケース付き 耳栓」

が気になったので(特にケースが・・・うちの娘にピッタリ?)
今日は、こちらを見ていきます。

耳栓ブログ|Hello Kitty 耳栓

■私が、実際にこの耳栓を使用+見ての感想は・・

100円という値段もありますし、
遮音ということでは、一定の遮音性があり
これはなかなか良いと思います。

■正確な計測を行ったりしたわけではなく、

どうしても私自身の印象になってしまいますが
それなりの効果は見込めそうで良いと思います。
長距離バスに乗り込むときとかいいかもしれません。

■こちらの「耳栓」には、なんといっても・・・

かわいらしいHello Kittyのケースが付いています。
これは、耳栓だけでなく、
ちょっとしたジュエリーケースにも
使えそうなのでお得だと思います。

■ただ・・ちょっと気になる点があります。

すいません・・・技術者魂が・・・・

これは、「Hello Kitty ケース付き 耳栓」に限っての話ではなく、
よく見かけるスポンジ素材のようなむにゅむにゅしている素材でつくられた
「ポリウレタン耳栓」の多くが同様の問題を抱えていると思いますが・・・

一言でいうと「快適装用の難しさ」になると思います。

■「Hello Kitty ケース付き 耳栓」の使用方法は

実際にパッケージ裏面に書かれている通り・・下記のようになっています。

①耳栓を指で押して、できるだけ細くします。
②耳を上に持ち上げながら本品を耳穴に挿入します。
(端を数ミリ外に出しておきます)。
③耳栓がゆっくり自然にふくらみ、やさしく耳にフィットします。

耳栓ブログ|Hello Kitty 耳栓

■上記のような手順で、

できるだけ細くして、耳栓を耳穴に挿入し
あとで、自然に耳栓が膨らむのを待つこととなると

どうしても次のようなことが難しくなってしまいます。
(a)耳栓を押しつぶして、耳穴にいれるので、入れてしまおうと思えば、いくらでも耳の奥に入ってしまうので、先端が鼓膜にあたってしまう恐れがある。
(b)耳穴が小さい人の場合、奥までいれて自然と膨らませたとき、膨らんだ状態の耳栓のサイズ(外径)が、耳穴の大きさより大きいこととなり、結果として耳穴に力が、かなりかかった状態となる可能性がある。この場合、長時間装用していると耳穴がつかれてしまう。
(c)(b)のような問題を回避するために、耳栓を浅めに装着すると、音が遮音できない。または、耳穴から耳栓が外れやすくなる

ということです。

■みなさんも、お手持ちのポリウレタン耳栓があれば

いちどお試しになると、
実感していただけるのではないかと思います。

・・・・
どうでしょうか?

■とはいえ、上記で申し上げた通り

100円という値段もありますし、
この値段でしたら、使い捨ても簡単にできることもあり
とてもお得で良いと思います!
(すみません・・私のサイトでは販売してませんが・・・)

本当に、ご自身の考えている用途が
それぞれ、睡眠だったり、集中するためだったり・・
ご自身の生活を快適にすることと思いますが・・

それを満たすことが、目的で
結局、耳栓は、その道具の一つにすぎないので
十分、用途を満たしているのであれば、それが良い物なんだと思います!

■ですので、「耳栓文化?」を推進する私としての願いとしては、

ご自身の耳栓の使用の目的を明確にして
はたして、この道具でいいのだろうかと考えていただきたいなぁ・・
と思う次第です。

■なんどか私の投稿をお読みになられた方には

恒例のようになってしまって申し訳ございませんが・・・

「耳栓ブログ|ae The Blog」では、
ライブの時に、ピッタリの耳栓 MusicSafe Proを取り扱っています。
少し紹介させていただくと・・・

MusicSafe Proは・・・
聞こえてほしい音が聞こえるところが普通の耳栓と違います!
つけ心地の柔らかさも長時間のライブ向け
だから、ライブ用耳栓としてピッタリです。

ヨーロッパ、アメリカで人気の耳栓です!
日本初上陸の製品です。

もし、詳細をお知りになりたい方がいらっしゃいましたら、こちらへどうぞ。

■本日は、「100円ショップの耳栓」ということで

「Hello Kitty ケース付き 耳栓」の魅力と
注意点についてお話しました。

それでは、次回も「防音」、「騒音対策」と
考えて私の気になる話題をお届けします。

それでは、本日はありがとうございました。

■「耳栓ブログ|ae The Blog」では

こちらから情報を発信していくだけでなく、
みなさんの周りでの「防音」、「騒音対策」
などについて情報も取り上げて、みんなでいろいろと考えていき
共有させていただきたいと考えています。

特に、ご使用されていた耳栓が、このように良かった、
このように難しかったなど

何かコメントなどあれば、お気軽に
info@sounds-lab.comまでお問い合わせください。
それでは、次回まで!