オーケストラ音楽家の耳に対する心配 (第17号)

■「耳栓ブログ|ae The Blog」の高祖です。こんにちは!

先日から、WHO(世界保健機関)での騒音のガイドライン値
について、お話を続けてきました。

同じような話が、続いていましたので
本日は、ちょっと違った趣向でお話をしたいと思います。

■本日は、

「オーケストラ音楽家の耳に対する心配」です。
私は、自分自身が興味があるので
いろいろと音に関する研究、学術論文等よく探しているのですが
つぎのような論文を見つけました。

■タイトルは・・・・

Factors affecting the use of hearing protectors among classical music players
タイトルを翻訳すると「クラシック音楽奏者の間での耳栓使用に影響を与える要因」
Noise & Healthという論文誌に掲載されています。
ちなみに論文詳細は、Noise & Health(2005) v7(26),p21-29です。

私がこの論文を読む限り
たくさん興味深いことが書かれているので
これから数回に分けて、紹介していくこととします。

■こちらの論文の概要をざっくりとお話すると

著者の方がフィンランドの人かたらしく、
フィンランドのオーケストラにおける音楽家の耳の不安や
音楽家の練習、リハーサル、コンサートでの
耳栓使用状況見つけ出そうとした試みだったようです。

■著者によると

クラシック音楽の音楽家は、
フィンランドの国で指定している制限値である85dB(A)を
超える音に頻繁にさらされているとのこと・・

実際には、楽器がどのようなものを使っているか
曲調がどうであるかなど、一概には言えないとは思いますが・・・

■研究には、

ヘルシンキ近辺で、主要な5つのオーケストラの音楽家たちが参加したようです。
音楽家は、耳栓の使用状況、耳の症状(耳鳴り、聴覚障害、耳の痛み、一時的耳鳴りを含む)
についてのアンケートに答えることを求められたようです。
さらには、ストレス、音楽活動環境についても答えてもらったそうです。

■本日の主題であるオーケストラの音楽家たちの「耳に対する心配」ですが・・

次のように結果が出たようです。

耳栓ブログ|クラシック音楽家の耳に対する心配

■アンケートの質問は、「ご自身の耳の聞こえが心配ですか?」

だったようです。選択肢は、次の通り・・
このなかから選択したようです。

Not at all (全く心配していない)
Little (ほんの少しだけ心配している)
Somewhat (少し気にしている)
Quite (とても心配している)
Very (かなり心配している)

■やはり、著者の言うとおり

フィンランドの制限値である85dB(A)を
超える音に頻繁にさらされているという状況で
大きな音にさらされているという自覚があるからでしょうか?

また、実際、音楽家にとって、音がしっかり健康で、聞こることが
不可欠だからでしょうか?

耳の健康について意識が高いことがわかります。
全体の95%が、度合いの違いはあれ、何らか耳のことを気にしているようです。

■こちらのデータはフィンランドのオーケストラでのデータになりますが

国内のオーケストラではどうなのでしょうか。
違いがあるのでしょうか?
個人的には、いろいろと調査してみたいところです。

■もし、偶然にも、このブログを読んでいただいた方で

オーケストラで楽器を演奏しているとか
音楽教室で楽器の演奏練習をしている人がいれば
ぜひ、いろいろとお聞かせいただけたらと思います。
お問い合せはこちらです。

■本日は、

ちょっと短めですが、
Noise & Healthという学術雑誌で取り上げられている
「オーケストラ音楽家の耳に対する心配」についてお話をしました。

かなり、耳の健康に対する意識が高い事もわかりましたね。
あすは、同じ論文に書かれている内容のうち、
クラシック音楽家が、実際どのような症状を
経験しているかについてお話していきたいと思います。

それでは、また明日お話の続きをいたします。
本日はありがとうございました。


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