■「耳栓ブログ|ae The Blog」の高祖です。こんにちは!
3連休もとうとう終わってしまいましたね。
みなさん、いかがお過ごしですか?
連休中は色々とお出かけになった方も多いのでは・・
私は、近くのスーパーに行ったくらいで
あとは、ずっと冷房の効いた部屋から出ることなく
過ごしました。
■さて、本論ですが
先日から
Factors affecting the use of hearing protectors among classical music players
という論文(詳細は、Noise & Health(2005) v7(26),p21-29です)
を取り上げ、お話させていただいていますが、
本日は、私にとっていちばん興味がある「オーケストラ音楽家の耳栓使用状況」
についてお話していきます。
■先日お話した通り
調査対象だったオーケストラの音楽家の
耳栓の使用は、それほど高くなかったわけですが
その耳栓使用している音楽家の間で
どのような種類の耳栓を使用しているか回答してもらっている
結果が、その論文に載っていたので紹介します。
■こちらは、論文上ではグラフにまとめられていなかったのですが
見やすいようにグラフ化してみました。
こちらです。
こちらの論文で公表されている項目の
すべてのパーセンテージを足しても97%となってましたので
その他を3%として加えて整えました(ちょっと正しいか不安ですが・・)。
■結果としては、
耳栓を使用していたうちの約半分くらいの音楽家が
オーダーメイドの耳栓(耳型をもとに作成した耳栓)
を使用していたようです。
その次が使い捨て耳栓。
「ae The Blog」で取り扱っている
MusicSafe Proのような製品は
おそらく「ハイファイ耳栓」に入ると思いますが
残念なことに約3%程度だったようです。
■ちなみに「ハイファイ」とは
High Fidelityのことで、高忠実度、高再現性を表します。
もちろん、何を持って高忠実度、高再現性かというと、
人間の知覚の部分が入る分、一筋縄に定義ができず、
おそらく各メーカーによっても、
見方や定義が異なってくるだろうと思います。
■戻りますが・・・
論文の方には、なぜオーダーメイドの耳栓の使用率が高かったか
理由については、詳細について説明されていませんが
おそらく、耳型をとった耳栓のほうが
音が漏れ聞こえるなどのおそれが少ないとの判断かもしれません。
補聴器の場合も、一般的にそのように思われている傾向があるので・・
■また、意外と使い捨て耳栓が
使われていることには、個人的にちょっとびっくりしました。
私がこの研究を行なっていたなら
おそらく使い捨て耳栓の使用のされ方などを
もうすこし突っ込んで細かく調べると思います。
場合によっては、短くするなどちょっとした加工を
加えて使用されているのかもしれません。
■私の勝手な解釈ですが・・
一般的には、耳栓と聞くと、使い捨て耳栓を思い浮かべそうなところを
調査対象であったオーケストラ音楽家の場合
オーダーメイド耳栓が多く、その次が使い捨て耳栓だったということは
やはり、耳を守るために色々と工夫しなければ・・・という意識が強い
という事のように思われます。
■オーダーメイド耳栓は、作成する際に耳型をとってもらい・・・
という手間も掛かっているはずなので
(誰でもでも耳型が取れるわけでもないですし・・)
その点から考えても、少し労力、時間が掛かっても
耳を守りたいという意識があるように思えます。
■ハイファイ耳栓の使用が少なかった理由についても
私個人としては、詳しく知りたいところです。
存在自体の認知が、まだまだなされていないような気もします。
もしそうであれば、必要な場面で
使ってもらえるように、認知度を挙げて行かないといけないですね・・
もちろん製品自体の性能が低いということも考えられたり、
楽器によって、欲しい音が聞こえないなどあるかと思いますので
いずれにせよ、検証をすすめる必要ありですね。
■本日は、フィンランドの「オーケストラ音楽家の耳栓使用状況」
についてお話をしてきました。
耳栓というか・・「耳を大切にして行きましょう」と
社会に働きかけているうちの一人として
色々興味深いことが分かって来ました。
そして、これからも色々と明確にしなければいけないことも
わかってきた気がします。
一人の力では、なかなかかもしれませんが、
現に、困られている人がいるのであれば、
お役に立つことができたらと思います。
■それでは、今日も
暑くなってしまいそうな晴天(岡山では・・)ですが
頑張って行きましょう!